天衣無縫 〜院長のひとりごと

決断すること

掲載日 : 2015年03月29日

大相撲春場所も終わり、春場所は荒れると言われるように、本人の普段の実力が出ないまま、場所を終えた力士を沢山拝見しました。
春には気温の変化が著しく、これに対応して、神経伝達が上手くいかなくなり、本来のスピードや力で動くことが出来なくなることが影響していたと思われます。
大相撲にはお互い手を付いてから呼吸を合わしての立ち合いというものがあり、これが私達人間の奥深くにある、全てを考慮して決断するという、本質的な日々の生活に関係しているものであるため、大相撲を何度も見ていくと、その魅力にどんどん引かれていく要因の一つだと思います。ただの身体の大きな人の力比べというのではなく、相手もいて、自分もいて、行司もいて、相手と自分の呼吸が合って、今ここ、という瞬間に自分が決断して動かなければならないわけです。今ここというのは、全てを考慮しての今ここなのだから、今ここの質が、立ち合いの上手行く行かないを決定してしまうのです。
春になると車の運転など一つとっても、止まる動く、曲がる曲がらないなど、決断が鈍り、何かがスムーズに行かなくなり、疲れてしまうことがあり、またその疲れた状態がより疲れを生んでしまうということがあるわけです。
今ここの決断の質ということが分かれば、それを高めていくための治療なり、工夫があると思うのです。